クラウドファンディングの税金|購入型は売上・確定申告と消費税の目安

クラウドファンディングで集めたお金に税金がかかるかは、「どの型か」と「誰が受け取るか」で決まります。購入型で起案者が受け取る資金は商品の売上と同じ扱いで、個人なら事業所得か雑所得、法人なら益金になり、会社員の副業なら所得20万円超で確定申告が必要です。寄付型で個人が受け取ると贈与になり、年110万円の基礎控除を超えると贈与税がかかります。この記事では型×立場の課税、確定申告の要否、消費税の目安、経費にできるものを、国税庁のタックスアンサーを出典に整理します。当サイトは税理士監修ではないので、個別の判断は税理士か税務署に確認してください。
クラウドファンディングの税金は「型」と「立場」で決まる
クラウドファンディングの税金は、購入型・寄付型・投資型のどれか、起案者と支援者のどちらか、個人か法人か、の組み合わせで決まります。弥生の解説記事とマネーフォワードの仕訳記事はこの整理で一致しており、購入型は「売上」、寄付型は「贈与・寄付」、投資型は「出資・借入と分配」として扱います(いずれも2026年9月25日確認)。
| 型 | 起案者(個人) | 起案者(法人) | 支援者 |
|---|---|---|---|
| 購入型 | 売上(事業所得または雑所得) | 売上(益金) | 商品の購入。原則課税なし |
| 寄付型 | 贈与(個人から)/一時所得(法人から) | 受贈益(益金) | 個人は原則控除なし。認定NPO等は寄付金控除 |
| 投資型(融資・ファンド) | 借入・出資(所得ではない) | 借入・出資 | 分配・利息は雑所得(源泉20.42%) |
表の区分は出典の記事の記載を当サイトで整理したもので、税務当局の見解を保証するものではありません。以下は当サイトが扱う購入型を中心に説明します。
購入型は「売上」として扱う
購入型クラウドファンディングで集めた資金は、リターン(商品・サービス)の対価なので、通常の販売と同じ売上です。マネーフォワードの仕訳記事は、支援を受けた時点では「前受金」で、リターンを提供した時点で「売上」に振り替えると説明しています。売上から手数料・原価・送料などの経費を引いた残りが所得で、そこに所得税(個人)か法人税(法人)がかかります。
寄付型は「贈与」か「一時所得」
寄付型で個人が個人から受け取った資金は贈与にあたり、国税庁のタックスアンサーNo.4402は暦年課税の基礎控除を年110万円としています(2026年9月25日確認)。法人から個人が受け取った場合は一時所得で、No.1490は特別控除を最高50万円としています。法人が受け取れば受贈益として益金です。
「クラファンで集めたお金は寄付だから税金がかからない」は購入型には当てはまりません。リターンを渡す以上は売上で、通常の商売と同じ申告が要ります。
購入型の起案者にかかる税金(個人)
個人が購入型で資金を集めた場合、所得の区分は事業所得か雑所得です。国税庁のタックスアンサーNo.1350は事業所得を「製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業を営んでいる人のその事業から生ずる所得」、No.1500は雑所得を他の9種類の所得に当たらない所得と定義しています(2026年9月25日確認)。どちらに当たるかは、継続性・規模・本業かどうかで判断されます。
会社員の副業なら20万円が目安
会社員が副業として起案し、給与以外の所得の合計が年20万円を超えると、確定申告が必要です。国税庁のNo.1900は「給与を1か所から受けていて、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)の合計額が20万円を超える人」を申告が必要な人に挙げています(2026年9月25日確認)。ここでいう所得は「売上」ではなく、手数料・原価・送料などの経費を引いた残りです。住民税は20万円以下でも申告が必要な場合があるので、市区町村に確認してください。
個人事業主なら事業所得として申告
個人事業主が本業の延長で起案した場合は、事業所得として他の売上と合算して申告します。青色申告をしていれば、要件を満たすことで青色申告特別控除(最高65万円)を使えます(小谷野税理士法人の記事の記載)。No.1500は、業務に係る雑所得で前々年の収入が300万円を超える場合は帳簿書類の保存が必要と書いており、雑所得でも記録は要ります。
| 立場 | 所得区分 | 申告の目安 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 会社員の副業 | 雑所得(規模により事業所得) | 所得20万円超で確定申告 | 国税庁 No.1900 |
| 個人事業主 | 事業所得 | 他の売上と合算して申告 | 国税庁 No.1350 |
| 法人 | 益金 | 法人税の申告に含める | 会社法・法人税法 |
経費にできるもの
売上から引ける経費は、プラットフォーム手数料、代行会社への費用、リターンの原価・製造費、送料・梱包資材、撮影・ページ制作・広告の費用です。プラットフォーム手数料はCAMPFIREが17%(12%+5%、税別)、Makuakeが20%(税抜)で、代行費は当サイト掲載52社のうち公開社で初期費用の中央値11.5万円、成功報酬10〜20%です(2026年9月24日時点)。マネーフォワードの記事は手数料を「支払手数料」で処理する仕訳例を示しています。領収書と明細は、青色申告なら7年間保存します(小谷野税理士法人の記事の記載)。
注意 所得区分(事業か雑か)、経費の範囲、住民税の申告は個別の状況で変わります。当サイトは税理士監修ではありません。国税庁のタックスアンサーを出典として示していますが、判断は税理士か所轄の税務署に確認してください。
消費税の扱い
購入型クラウドファンディングの売上は、消費税の課税売上です。マネーフォワードの仕訳記事は、購入型はリターン提供時に消費税が課税され、寄付型は対象外と説明しています。ただし、国税庁のタックスアンサーNo.6501は「課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下である場合には、原則として納税義務が免除されます」としており、小規模な起案者は免税事業者のままであることが多いです(2026年9月25日確認)。
課税売上1,000万円の目安
基準期間(個人なら前々年、法人なら前々事業年度)の課税売上高が1,000万円を超えると、その年は課税事業者になります。クラファンの支援額が大きく、他の売上と合わせて1,000万円を超えた年があると、2年後に消費税の納税義務が発生します。INVOYの記事もこの点をデメリットに挙げています。
インボイス登録との関係
No.6501は、適格請求書発行事業者(インボイス発行事業者)に登録している場合は、売上1,000万円以下でも免税にならないと補足しています。すでにインボイス登録をしている個人事業主・法人は、クラファンの売上にも消費税がかかります。支援者は個人が中心なので請求書の発行は通常ありませんが、法人支援者への対応は事前に決めておいてください。
免税事業者かどうかは「前々年の売上」で決まります。クラファンで一度大きく集めた年の2年後に消費税が発生することを、資金計画に入れておいてください。
支援者側の税金
支援者側は、購入型なら商品を買っただけなので原則として課税も控除もありません。寄付型で個人が個人に寄付した場合、支援者側に控除はなく、受け取った側に贈与税の可能性があります。認定NPO法人や自治体(ふるさと納税型)への寄付は寄付金控除の対象で、弥生の記事は投資型の分配や利息を雑所得として20.42%の源泉徴収の対象と説明しています(2026年9月25日確認)。
- 購入型の支援 → 商品の購入。原則、税金も控除もない
- 個人への寄付型の支援 → 控除なし。受け取る側が贈与税の対象になる場合がある
- 認定NPO・自治体への寄付 → 寄付金控除の対象(確定申告が必要)
- 投資型の分配・利息 → 雑所得。源泉20.42%、確定申告で精算
起案者は、支援者から「領収書を出せるか」「寄付金控除の対象か」と聞かれることがあります。購入型の場合は「商品の購入なので控除の対象ではない」と答えられるよう、ページのFAQに書いておくと問い合わせが減ります。
申告までの流れと、専門家に頼む目安
購入型の起案者が申告までにやることは、支援額・手数料・経費の記録、リターン提供時の売上計上、年末の所得計算、翌年の確定申告(個人は原則2月16日〜3月15日)です。支援額が数百万円以上、リターンの提供が年をまたぐ、法人支援者が多い、消費税の課税事業者になりそう、のどれかに当たるなら、税理士に頼む方が安全です。
自分で申告するか、税理士に頼むか
自分で申告できる人
- 支援額が数十万円で、リターン提供が同じ年に終わる
- 会計ソフトで売上・経費を記録している
- 免税事業者で、インボイス登録をしていない
国税庁のタックスアンサーと会計ソフトの案内で足りることが多いです。
税理士に相談する人
- 支援額が数百万円以上、または年をまたいでリターンを提供する
- 課税売上が1,000万円を超えそう、またはインボイス登録済み
- 寄付型と購入型を組み合わせている
前受金の期ずれと消費税の判断は、専門家に見てもらう方が確実です。
代行会社は税務の相談先ではない
代行会社の支援範囲は企画・制作・集客・発送で、税務の判断は含まれません。当サイト掲載52社の支援範囲14項目にも税務はありません。代行費の領収書や成功報酬の計算根拠は経費の証拠になるので、契約書と明細を保管してください。
よくある質問
クラウドファンディングの税金について、検索や問い合わせで多い疑問を4つにまとめました。数値は国税庁のタックスアンサーと出典の記事に2026年9月25日時点で記載されていたものです。税制は改正されるので、申告前に最新の情報と専門家の判断を確認してください。
クラウドファンディングで集めたお金に税金はかかりますか?
購入型なら売上として所得税(個人)か法人税(法人)の対象です。寄付型で個人が受け取ると贈与で、年110万円の基礎控除を超えると贈与税がかかります。投資型の出資や借入は所得ではありませんが、分配や利息は支援者側の雑所得です。
いくらから確定申告が必要ですか?
会社員の副業なら、給与以外の所得(売上から経費を引いた額)が年20万円を超えると確定申告が必要です(国税庁 No.1900)。個人事業主は金額に関係なく他の売上と合算して申告します。
消費税はかかりますか?
購入型の売上は課税売上ですが、基準期間の課税売上高が1,000万円以下なら原則として納税義務が免除されます(国税庁 No.6501)。インボイス登録をしている場合は免除されません。
代行会社に払った費用は経費になりますか?
購入型の売上を得るための費用なので、プラットフォーム手数料・代行費・リターン原価・送料・制作費は経費にできます。契約書・請求書・領収書を保存してください。個別の判断は税理士に確認してください。
まとめ
クラウドファンディングの税金は、購入型なら売上、寄付型なら贈与か一時所得、投資型なら出資・借入と分配、と型で決まります。購入型の起案者は、会社員の副業なら所得20万円超で確定申告、個人事業主なら事業所得として申告、消費税は課税売上1,000万円が目安で、手数料・代行費・原価・送料は経費です。支援額が大きい、年をまたぐ、課税事業者になりそうな場合は税理士に相談してください。当サイトは税理士監修ではなく、この記事は国税庁のタックスアンサーを出典とした整理です。
出典
- 国税庁 タックスアンサー No.1350「事業所得の課税のしくみ」(2026年9月25日確認)
- 国税庁 タックスアンサー No.1500「雑所得」(2026年9月25日確認)
- 国税庁 タックスアンサー No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」(2026年9月25日確認)
- 国税庁 タックスアンサー No.1490「一時所得」(2026年9月25日確認)
- 国税庁 タックスアンサー No.4402「贈与税がかかる場合」(2026年9月25日確認)
- 国税庁 タックスアンサー No.6501「納税義務の免除」(2026年9月25日確認)
- 弥生「クラウドファンディングで確定申告は必要?」(2026年9月25日確認)
- マネーフォワード「クラウドファンディングの仕訳とは?」(2026年9月25日確認)
- 小谷野税理士法人「クラウドファンディングにかかる税金と節税対策について」(2026年9月25日確認)
