クラウドファンディングの発送代行|費用の目安・頼める範囲・選び方

クラウドファンディングのリターン発送は、通常の通販と違って「数百件を、終了後の1〜2か月に、コース別の同梱で」一斉に送る作業です。支援者が50件以下なら自分で送る方が安く、数百件になると発送代行(物流会社)に頼む方が確実というのが、物流会社の公開資料に共通する目安です。この記事では発送代行に頼める範囲と費用の実例、物流会社と代行会社(クラファン全体を請ける会社)の違い、当サイト掲載52社のうち発送に対応する15社のデータ、住所変更や誤配送を防ぐ段取りを説明します。
クラウドファンディングの発送代行とは
クラウドファンディングの発送代行とは、プロジェクト終了後にリターン(返礼品)を支援者へ届ける作業、つまり商品の入庫・検品・コース別のセット組み・梱包・出荷・支援者データの整理を、起案者に代わって物流会社が行うサービスのことです。通常の通販が「注文が来るたびに1件ずつ送る」のに対し、クラファンは「終了後にまとめて一斉に送る」ので、社内に人手と場所がないと回りません。
通常の通販と違う3つの点
物流会社の資料が共通して挙げる違いは、一斉性、コース別の同梱、支援者データの変動の3つです。神谷商店は「一回性・一斉性のプロジェクト運用」と表現し、STOCKCREWは「支援者情報の変更リスク」と「リターンの種類が多い」ことを難しさの理由に挙げています(いずれも2026年9月25日確認)。自社でクラファンを実施したウルロジは、2,084人・2,000件の発送で、終了から発送までの間に引越しで住所が変わる支援者が出たと書いています(同社公表値)。
| 違い | 通常の通販 | クラファンのリターン |
|---|---|---|
| 出荷のタイミング | 注文ごとに毎日 | 終了後の1〜2か月に集中 |
| 荷姿 | 1商品1件が中心 | コース別に複数商品を同梱 |
| 送り先データ | 注文時に確定 | 支援から発送まで数か月空き、変更が出る |
| 件数 | 平準化される | 数百〜数千件が一度に来る |
発送代行に頼める作業と、起案者に残る作業
発送代行に頼めるのは、入庫・検品・保管、セット組み、チラシ同梱やシール貼り、梱包、出荷、配送データの変換です。起案者に残るのは、支援者リストの確定(住所の再確認)、コース別の同梱ルールの指示書作り、商品の手配と納期管理、支援者への連絡です。神谷商店の記事は「データの確定と早い相談で決まる」と書いており、発送代行の質は指示書と住所データの精度で決まります。
発送代行に頼んでも、住所の再確認と同梱ルールの指示書は起案者の仕事です。ここを渡せる状態にしてから相談すると、見積もりが1回で済みます。
発送代行の費用の目安
発送代行の費用は、入庫・保管・作業・配送の4つの単価の積み上げで決まり、定価表がなく個別見積もりの会社が多いです。料金を公開している例では、STOCKCREWが入庫10円/点、セット組20円/点、チラシ同梱8円/点、配送260円〜(60サイズ宅配510円)を示し、300人規模(入庫600点)の試算を約17.5万円、1件あたり約605円としています(同社公開値、2026年9月25日確認)。
公開されている単価の例
ロジモプロは初期費用・月額固定費・システム利用料が0円で、メール便396円〜、宅配便Mサイズ781円〜、入庫19.8円/個、保管0.44円/個/日(いずれも税込)を公開しています。富士ロジテックの比較記事では、ポスト投函が340円〜、ウルロジが全国一律300円〜、セカイロジのポスト便が330円と紹介されています(いずれも2026年9月25日確認)。
| 費用項目 | 公開されている単価の例 | 出典 |
|---|---|---|
| 入庫 | 10円/点、19.8円/個 | STOCKCREW、ロジモプロ |
| 保管 | 0.44円/個/日 | ロジモプロ |
| セット組み・同梱 | セット組20円/点、チラシ8円/点 | STOCKCREW |
| 配送(ポスト投函) | 300〜396円 | ウルロジ、セカイロジ、ロジモプロ |
| 配送(宅配便) | 510〜781円 | STOCKCREW、ロジモプロ |
単価は会社・地域・サイズで変わり、沖縄や離島は別料金の会社が多いです。総額を出すときは「件数×(作業単価+配送単価)+入庫・保管」で見積もってください。
何件から頼むと得か
STOCKCREWは支援者50件以下なら自社発送が割安になる可能性があると書き、ソネッティークの比較記事は51〜300件で単発対応とデータ加工が鍵、301件以上でリードタイムと公式パートナーの有無が鍵と件数別に整理しています(2026年9月25日確認)。1件600円前後の作業・配送費に対して、自分で送る場合も送料はかかるので、差は作業の人件費と梱包材です。50件を1人で2日かけて送るなら自力、300件を1週間で送るなら代行、というのが目安です。
注意 上の単価は各社が2026年9月25日時点で公開していたものです。冷凍・冷蔵品、140cmを超える大型品、高額品は受けない会社があり(ロジモプロの記載例)、海外発送は別料金です。
物流会社と代行会社の違い
「クラウドファンディング 発送代行」で出てくる会社には、発送だけを請ける物流会社と、企画からページ制作・集客・発送までを通しで請ける代行会社の2種類があります。物流会社は発送の単価が明確で単発でも頼めますが、クラファン自体の設計は見ません。代行会社は発送を「支援範囲の1項目」として持ち、実際の倉庫作業は提携する物流会社に再委託する形も多いです。
発送だけ頼むなら物流会社
商品の準備とページ制作は自分でやり、終了後の発送だけ足りない場合は物流会社です。選ぶ基準は、単発(1回だけ)で受けるか、コース別の同梱とデータ加工に対応するか、投函便と宅配便を選べるか、自分の商材(食品・大型・高額)を扱えるか、の4点です。富士ロジテックとソネッティークの記事も、単発対応と類似商材の実績を最初の確認事項に挙げています。
企画から通しで頼むなら代行会社
企画や集客も足りない場合は、発送を支援範囲に含む代行会社に通しで頼む方が窓口が一つになります。当サイト掲載52社のうち物流・発送・CSに対応するのは15社で、料金を公開しているのは7社です。対応プラットフォームはMakuakeが8社、CAMPFIREが7社、Kickstarterが3社です(2026年9月24日時点)。発送の実費(送料・梱包材)が代行費に含まれるかは会社によるので、見積もりで分けて出してもらってください。
発送に対応する代行会社から3社
発送に対応する15社の中から、「料金が公開されている」「10工程を1社に頼める」「海外発送を含む」という3つの見方で1社ずつ挙げます。社名・料金・支援範囲は当サイトの掲載データを転記したもので、実績は同社公表値です。発送だけを頼みたい場合は、前の章の物流会社の方が単価が明確です。

発送まで含めて、料金が公開されている会社なら
hashimoton
記載なし 料金 初期 11万円〜 / 成功報酬 10%
| 対応プラットフォーム | CAMPFIRE |
|---|---|
| 料金(公式サイトの記載) | 初期 11万円〜 / 成功報酬 10% |
| 支援範囲 | 企画・コンセプト設計、ページ制作、撮影・動画、リターン設計、審査対応・申請代行、物流・発送・CS、戦略相談・伴走コンサル |
| 公表実績 | 110件以上、総支援額1億4千万円超(2024年冬時点)(同社公表値) |
当サイトのデータで見た根拠
物流・発送・CSに対応する15社のうち料金を公開しているのは7社で、hashimotonは初期11万円+成功報酬10%で、成功報酬率はその中で最低、初期費用はHS広告スタジオ(0円・率は非公開)に次いで低い水準です(2026年9月24日時点)。
支援範囲は企画・ページ制作・撮影・リターン設計・審査対応・発送・伴走コンサルの7項目で、CAMPFIRE専業です。公表実績は110件以上・総支援額1億4千万円超(同社公表値、2024年冬時点)。
発送の実費(送料・梱包材)が代行費に含まれるかは公式サイトに記載がなく、見積もりでの確認が要ります。
向いている人
- CAMPFIREで実施する
- 企画から発送まで1社にまとめたい
- 初期費用を10万円台に抑えたい
代行会社の「発送対応」は、発送データの整理と指示が中心で、倉庫作業は物流会社に再委託する形もあります。誰がどこで梱包するかを聞いてください。
発送を含む10工程を1社に頼むなら
NO WAVE
記載なし 料金 初期 11万円〜 / 成功報酬 11%
| 対応プラットフォーム | CAMPFIRE・Makuake・READYFOR・GREEN FUNDING |
|---|---|
| 料金(公式サイトの記載) | 初期 11万円〜 / 成功報酬 11% |
| 支援範囲 | 企画・コンセプト設計、ページ制作、撮影・動画、事前集客、物流・発送・CS、広告運用、リターン設計、審査対応・申請代行、戦略相談・伴走コンサル、インフルエンサー・SNS施策 |
| 公表実績 | 公式サイトに記載なし |
当サイトのデータで見た根拠
物流・発送・CSに対応し、かつ支援範囲14項目のうち10項目をカバーして料金を公開しているのは、NO WAVEとクラファン屋の2社です。NO WAVEは初期11万円+成功報酬11%で、率が低い方です(2026年9月24日時点)。
対応プラットフォームはCAMPFIRE・Makuake・READYFOR・GREEN FUNDINGの4つで、発送だけでなく広告運用・事前集客も範囲に入ります。
件数・金額の公表実績は公式サイトに記載がありません。
向いている人
- 公開前の集客から終了後の発送まで通しで任せたい
- プラットフォームをこれから決める
- リターン数が数百件規模になる見込み
工程が広い会社ほど「発送の実費はどこまで含まれるか」で総額が変わります。件数×単価の見積もりを別で出してもらってください。

海外(Kickstarter)のリターン発送を含めて頼むなら
株式会社カーツメディアワークス
東京都 料金 初期 100万円〜 / 成功報酬 15%
| 対応プラットフォーム | Kickstarter |
|---|---|
| 料金(公式サイトの記載) | 初期 100万円〜 / 成功報酬 15% |
| 支援範囲 | ページ制作、PR・プレスリリース、広告運用、審査対応・申請代行、物流・発送・CS、海外クラファン支援、多言語・翻訳 |
| 公表実績 | ゴール達成実績数100件以上(同社公表値) |
当サイトのデータで見た根拠
海外クラファン支援と物流・発送の両方に対応し、料金を公開しているのはカーツメディアワークスだけです。初期100万円+成功報酬15%で、公開16社の中で最も高額です(2026年9月24日時点)。
支援範囲はページ制作・PR・広告・審査対応・発送・海外支援・多言語翻訳の7項目で、Kickstarter専業です。公表実績はゴール達成100件以上(同社公表値)。
海外発送は関税・通関・国別の送料が国内と違うので、発送費の見積もりは支援者の国別内訳が分かってからになります。
向いている人
- Kickstarterで海外の支援者に発送する
- 英語での支援者対応も任せたい
- 初期費用100万円以上の予算がある
海外発送は「発送代行」より「越境物流」の領域です。代行会社が提携する物流会社名と、国別の送料表を先に見せてもらってください。
自分で送るか、発送代行に頼むか
発送を自分でやるか頼むかは、件数と時期で決まります。物流会社の目安では50件以下なら自分で送る方が安く、数百件を1〜2週間で送るなら代行の方が確実です。中間の100〜200件は、コースの数(同梱パターン)と商品のサイズ、社内で発送に充てられる人手で判断します。
自分で送る人
- 支援者が50件以下で、コースが2〜3種類
- 商品がポスト投函サイズで、常温で保管できる
- 発送に2〜3日を充てられる人手がある
送料は自分で送っても発送代行でもかかります。差は作業時間と梱包材です。
発送代行を検討する人
- 支援者が数百件以上、または同梱パターンが5種類以上
- 商品が海外から入荷し、検品から必要
- 企画・集客も足りず、代行会社に通しで頼みたい
発送だけなら物流会社、通しなら発送対応の代行会社15社から選んでください。
発送で起きるトラブルと、防ぐ段取り
発送で起きるトラブルは、住所変更による返送、コース違いの誤配送、入荷遅れによる発送遅延の3つが中心です。ウルロジは2,000件の発送で「引越しで住所が変わる支援者」が出たと書き、STOCKCREWは住所不備の返送対応を事前に決めておくことと、5〜10件のテスト出荷を勧めています。知恵袋には「1年以上前に支援した商品が発送されず連絡もない」という支援者側の投稿もあり、遅れるときの連絡が評価を左右します。
発送前に確定させる3つのデータ
発送の精度は、送り先・同梱ルール・数量の3つのデータで決まります。発送の1〜2か月前に支援者へ住所確認の連絡を送り、コースごとに「何を何個、どの資材で」を書いた指示書を作り、入荷数と支援数を突き合わせます。神谷商店の記事は、概算見積もりに必要な情報として件数・コース数・商品サイズ・発送時期・入荷形態・配送方法の6つを挙げています。
- 支援者リストの住所を、発送の1〜2か月前に再確認する
- コース別の同梱指示書(商品・数量・資材・同梱物)を作る
- 入荷数と支援数を突き合わせ、不足分の手配を先に済ませる
- 5〜10件のテスト出荷で、梱包と伝票を確認する
- 遅れる場合は活動報告で先に知らせ、新しい発送予定日を書く
発送のスケジュール
終了から発送までの期間は、商品の入荷時期で決まります。食品OEMの窓口は、製造に6〜12週間、終了から発送完了まで約4〜5か月を見込むよう書いています(2026年9月25日確認)。物流会社への相談は「プロジェクト期間中〜終了直後」が目安で、発送予定月の1〜2か月前には倉庫の枠を押さえておく必要があります。
発送が遅れること自体より、遅れを知らせないことが評価を下げます。活動報告で「いつ・なぜ・いつまでに」を先に書けば、支援者の多くは待ってくれます。
よくある質問
クラウドファンディングの発送代行について、検索や問い合わせで多い疑問を4つにまとめました。単価は各社が2026年9月25日時点で公開していたもの、当サイトの社数は掲載52社の2026年9月24日時点の集計です。料金や受け入れ条件は変わることがあるので、依頼前に各社で最新の内容を確認してください。
クラウドファンディングの発送代行はいくらかかりますか?
公開されている例では、作業と配送を合わせて1件あたり600円前後です(STOCKCREWの300人規模の試算で約17.5万円)。ポスト投函なら配送300〜396円、宅配便なら510〜781円が単価の目安で、入庫・保管・セット組みが別に加わります。
何件からなら発送代行に頼むべきですか?
物流会社の目安では50件以下は自分で送る方が割安で、数百件になると代行が確実です。100〜200件は、同梱パターンの数と商品サイズで決めてください。
発送だけを頼める会社はありますか?
あります。物流会社の多くは単発(1回だけ)のクラファン発送を受けています。単発対応・データ加工・配送方式・商材の4点を確認して選んでください。企画や集客も含めて頼むなら、発送に対応する代行会社15社が候補です。
発送が遅れそうなときはどうすればいいですか?
活動報告で先に知らせ、新しい発送予定日を書いてください。遅れの理由(入荷遅れ、検品での不良)と対応を具体的に書くと、問い合わせが減ります。住所変更の受付方法も同じ報告で案内すると、返送を防げます。
まとめ
クラウドファンディングの発送代行は、50件以下なら自分で送り、数百件なら物流会社に頼み、企画や集客も足りなければ発送に対応する代行会社に通しで頼む、という分け方が費用と手間の両面で無理がありません。単価は1件600円前後が公開例で、住所の再確認・同梱指示書・テスト出荷の3つを済ませてから渡せば、誤配送と返送は大きく減ります。
出典
- STOCKCREW「クラウドファンディングのリターン発送×発送代行 実務ガイド」(2026年9月25日確認)
- ロジモプロ「クラファン物販リターン発送代行サービス」(2026年9月25日確認)
- 富士ロジテック「クラウドファンディングのリターンに単発で利用できる発送代行7選」(2026年9月25日確認)
- ソネッティーク「クラウドファンディングの発送代行8社比較」(2026年9月25日確認)
- 神谷商店「クラウドファンディングのリターン発送代行」(2026年9月25日確認)
- ウルロジ「クラウドファンディングをやってみて物流会社が気づいたこと」(2026年9月25日確認)
- 食品OEMの窓口「クラウドファンディング食品OEM販売の全手順」(2026年9月25日確認)
